自分の所有地が道路だった件という報道がありました。
小生も宅建士なので、この問題を解説したいと思います。
問題の概要は
問題の概要からです。
・過去に土地を購入したが、気が付いた時にはその土地には道路(公道)が含まれていた。
・買主は市町村に「土地の買い取り」「固定資産税の返金」を申し出た。
・行政側は土地の買い取りを拒み、逆に無料で寄付しなさいと言ってきた。
固定資産税は返金してくれるが、時効援用の5年までしか返してもらえないらしい
・結局、裁判まで発展して争っている
という流れです。
ポイントは、
・市民の土地の一部が道路に使われているのに、なぜか行政側は買い取らない
このまま無料で使い続けようとしている点。
・なぜか行政側は横柄な回答をする。
のがポイントです。
考えられる理由
上記二つに関してはそうする理由が数個あります。
一つ目は、法律的には行政側が圧倒的に強いこと
二つ目は、その街にはそのような道路がたくさんあること
だと思われます。
一つ目の法律的な解説については、
20年間所有の意思をもって占有が継続すると、その土地の所有権を取得する
という法律があるためです。
つまりその土地を悪意があっても20年間使い続けると、その後は自分のものに
なるという法律でが存在するのです。
今回は使っている行政側の物になっているという解釈です。
日本に住んでいてこの恐ろしい法律を知らない方は多いのではと思います。
また道の使用については、通行地役権は守られており、私有地でも通行が妨げられ
ない法律があるためです。
法律根拠のHPは下記キーワードで検索してみてください。
・道路、暗黙の通行地役権、私有地、通行の自由権
・20年間 占有 土地
二つ目の理由は、その街にはそのような場所がたくさんあること
仮に市がその一人の土地の買い取りを認め和解金を支払うと、他の全員に支払わなければ
いけないことになるためだと思われます。
古い町は過去に十分な測量や登記処理もせず、道を作ることを優先していた事実が
あったとのこと。
詳しくは
・昔は法律順守の意思が現代より薄かった
・とりあえず、道路を作ることを優先した
・GPSなどの測量技術が発展し、詳しく測量ができるようになり、結果的に
越境がわかった
・当時の土地の所有者は理解していたが、当時登記までやっていなかった。
などが考えられます。
つまり
つまり、
法律的には行政側が裁判を起こすと、必ず勝てるので強気に出ている
ということです。
そして、一旦市側がこの手の和解を受け入れると、同じような人がたくさん出てきてしまい、収拾がつかないことを恐れている状況だということです。
しかし、根本的に市民の立場からすると
「公共のために道を提供しているのに、なぜ買い取ってもらえないのか」
「なぜ寄付を求められるのか」
「法律に疎い一般市民に対して、説明なしで不誠実な対応なのではないか」
ということが疑問に残ります。
桜井章一先生の格言
その1
世の中には無知ゆえのミスもあるよ。これは罪だね。しかし、もっと恐ろしいのは、
知るがゆえの悪行だ。これは悪魔だよ
現状では市の対応は上記の言葉通りの対応だと感じています。
その2
知をもって 解決することもあれば
行動をもって解決しなければ
いけないこともある。
しかし、もっとも大切なのは
心で解決することである。
小生が希望する市側の対応は上記の対応です。
市側は、法律根拠だけの対応だけでなく、誠実な対応をしてもらいたいです。
法律弱者の市民をないがしろにした態度を取るのは良くないと思います。
またたくさん同じような境遇の人が出てきて、買い取り費用が増えるでしょうが
その問題を棚上げするのはもっと良くないと思います。
いずれこれを続けと、道路を運営している行政側のバランスが崩れます。
行政側は法律さえ守っていれば、どんな不誠実なことをやっても良いということに
なってしまいます。
行政側には解決する意思を持ってもらいたいです。
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おしまい。
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